花は、私たちの生活に彩りと潤いを与えてくれる大切な存在です。誕生日や記念日、お見舞いや葬儀など、さまざまなシーンで花を贈ることがありますね。でも、花選びって意外と難しいと感じたことはありませんか？

花屋として長年お客様と接してきた経験から、多くの方が「どんな花を選べばいいのかわからない」「相手に喜ばれる花が選べない」といったお悩みを抱えていることに気づきました。

そこで今回は、シーンに合わせた花選びのコツをお伝えします。目的に応じて最適な花を選ぶことで、相手に気持ちを伝えるだけでなく、花を通じて人と人とのつながりを深めることができるでしょう。

これから紹介するポイントを押さえれば、花選びが楽しくなること間違いなしです。ぜひ参考にしてみてくださいね。

花選びの基本

目的を明確にする

花選びで最も重要なのは、贈る目的を明確にすることです。お祝いなのか、お見舞いなのか、それとも日頃の感謝の気持ちを伝えたいのか。目的によって、選ぶ花の種類や色、アレンジメントのスタイルが変わってきます。

まずは以下のような点を考えてみましょう。

• 贈る相手はどんな人？（年齢、性別、好み、関係性など）
• どんなシーンや目的で贈るのか？
• 花を飾る場所や環境は？
• 予算はどのくらい？

これらを整理することで、自然と選ぶべき花のイメージが浮かんでくるはずです。

予算を決める

花選びで見落としがちなのが、予算の設定です。贈る相手や目的に合わせて、予算の範囲内で最適な花を選ぶことが大切ですね。

予算が限られている場合は、以下のような工夫をしてみましょう。

• 季節の花を選ぶ（旬の花は比較的安価で手に入る）
• 一輪でも存在感のある花を選ぶ（ユリやガーベラなど）
• グリーンを多めに使う（グリーンは花よりも安価）

逆に、予算に余裕がある場合は、ボリューム感のあるアレンジメントや珍しい花にチャレンジするのもおすすめです。

季節を考慮する

季節感を取り入れることで、より相手に喜ばれる花選びができます。春はチューリップやスイートピー、夏はひまわりやトルコキキョウ、秋はコスモスや菊、冬はポインセチアやシクラメンなど、季節ごとに特徴的な花があります。

また、季節の花を選ぶことで、以下のようなメリットがあります。

• 旬の花は鮮度が良く、長持ちする
• 季節感があり、華やかで見栄えがする
• 手頃な価格で手に入る

季節の移り変わりを感じられる花を選べば、贈る相手の気持ちを和ませることができるでしょう。

シーン別の花選び

誕生日や記念日の花選び

誕生日や記念日は、相手の好みに合わせて花を選ぶのがポイントです。定番の赤いバラのブーケはロマンチックな雰囲気を演出できますし、黄色いバラなら友情や感謝の気持ちを伝えられます。

また、記念日の年数に合わせた本数のバラを贈るのも素敵ですね。

記念日	本数	意味
1周年	1本	出会いに感謝
10周年	10本	あなたはすべて
20周年	20本	貴方しかいない
30周年	30本	絆に感謝

花言葉を選ぶのもおすすめです。例えば、誕生日なら「あなたを思う気持ち」を意味するカーネーションを。記念日には「永遠の愛」を表すガーベラを添えてみるのはいかがでしょうか。

お見舞いや葬儀の花選び

お見舞いや葬儀では、喪失感や悲しみに寄り添える花選びが大切です。白や淡いピンクの花を中心に、シンプルで落ち着いたアレンジメントがふさわしいでしょう。

お見舞いでは元気の出る黄色や橙色の花を、葬儀では菊や百合を使うのが一般的です。花言葉にも気を配りましょう。カスミソウは「永遠の幸福」、トルコキキョウは「優美」「清純」といった意味があります。

また、お悔やみの気持ちを込めて、以下のような組み合わせを贈るのもおすすめです。

• 白菊とカラー：「清らかな心」「悲しみ」
• 百合とカーネーション：「純粋」「感謝」
• バラとトルコキキョウ：「愛」「優美」

大切なのは、故人を偲び、遺族の心に寄り添う気持ちを込めることです。派手すぎず、かといって殺風景にならないよう、バランスを考えて選びましょう。

結婚式やパーティーの花選び

結婚式やパーティーでは、華やかで明るい雰囲気を演出する花選びがおすすめです。 ダリアやスターチス、バラなどの色鮮やかな花を組み合わせれば、華やかさがぐっと増します。

特に結婚式では、季節感を取り入れつつ、新郎新婦の好みやテーマカラーに合わせるのがポイント。会場の雰囲気に合わせるのも大切ですね。

パーティーでは、ゲストを楽しい気分にさせてくれるようなアレンジメントを心がけましょう。オレンジ色のガーベラは「前向きな気持ち」、ヒマワリなら「憧れ」の花言葉があります。ラッキーカラーの花を選ぶのも良いかもしれません。

また、テーブル装花を凝るのもおすすめです。

• 丸テーブルなら、中央にまとまりのあるアレンジメントを
• 長テーブルなら、なだらかなラインで統一感を出す
• 高さを変えたり、キャンドルを加えるのもおしゃれ

ゲストとの会話が弾むような、さりげない演出を心がけましょう。

花の色と意味

色の心理的効果

花の色は人の心理に大きな影響を与えます。贈る相手の性格や好み、伝えたい気持ちに合わせて色を選ぶことが大切ですね。

以下のような色の効果を参考にしてみてください。

• 赤：情熱、愛情、活力
• ピンク：やさしさ、思いやり、女性らしさ
• 黄色：明るさ、楽しさ、友情
• 青：知性、安らぎ、誠実
• 白：清純、無垢、平和

色の組み合わせでニュアンスも変わります。例えば、ピンクと白の組み合わせは上品で優しい印象を与えるのに対し、赤と黄色の組み合わせは情熱的でエネルギッシュな雰囲気を醸し出します。

色が持つ伝統的な意味

花の色には、伝統的な意味合いが込められていることがあります。歴史や文化を感じさせる花選びができると良いですね。

• 赤いカーネーション：母の日に贈る定番の花。「母への愛」の象徴
• 白いユリ：結婚式や葬儀に使われる。「純粋」「無垢」の象徴
• 黄色いバラ：「友情」や「感謝」を表す
• 青いガクアジサイ：「辛抱強さ」「不変」の意味を持つ

慣習に合わせた花選びは、フォーマルなシーンで特に重要です。相手に失礼のないよう、色の持つ意味をしっかりと理解しておきましょう。

色の組み合わせ方

色の組み合わせ方で、印象はガラリと変わります。バランスの取れた配色を心がけると良いでしょう。

• 補色の組み合わせ：赤と緑、青とオレンジなど。互いの色を引き立て合う
• グラデーションの組み合わせ：淡いピンクから濃いピンクへのグラデーションなど。優しく調和のとれた印象に
• 白やグリーンとのコントラスト：メインの色に白やグリーンを合わせることで、引き締まった印象に

配色のバランスが取れていないと、かえって相手に不快感を与えてしまうことも。色の基本ルールを押さえつつ、アレンジを楽しむのがおすすめです。

花の種類と特徴

バラ、ガーベラなどの定番の花

贈答用の定番として人気が高いのが、バラやガーベラ、カーネーションなどです。

• バラ：「愛」「美」の象徴。豊富なカラーバリエーションと品種が魅力
• ガーベラ：「希望」「前向きな気持ち」を表す。色鮮やかで長持ちする
• カーネーション：「誠実」「純粋な愛」の意味を持つ。母の日の贈り物として定番
• ヒマワリ：「あなただけを見つめる」という花言葉。夏の花の代表格
• チューリップ：「思いやり」「純粋な愛」を意味する。春の訪れを感じさせる花

定番の花は、多くの人に愛されている分、品質や鮮度の良いものが手に入りやすいのもメリットです。 相手の好みに合わせてアレンジを加えれば、オリジナリティのある贈り物になるでしょう。

珍しい花や季節の花

一方で、珍しい花や季節の花を選ぶのも素敵ですね。相手の個性や趣味に合わせて、特別感のある花を贈ってみませんか。

• スイートピー：上品で繊細な佇まいが魅力。春の訪れを感じさせる
• ラナンキュラス：「魅惑的な魅力」の花言葉を持つ。重厚感のある花姿が特徴
• クレマチス：「旅人の喜び」「精神美」を表す。つる性の多年草
• アマリリス：「輝かしい美しさ」という花言葉。クリスマスシーズンの贈り物に最適
• シャクヤク：「高貴」「威厳」の象徴。大輪の花を咲かせる

珍しい花は、贈る相手にとって新鮮な驚きになるはず。品種や色合いにこだわれば、他にはない贈り物になります。 ただし入手が難しかったり、価格が高くなる場合もあるので注意が必要です。

花の形や大きさによる印象の違い

花の形や大きさによって、受ける印象は大きく変わります。

• ユリ：上品でエレガントな印象。ロングスタイルが人気
• ひまわり：元気いっぱいでポジティブなイメージ。存在感抜群の大輪が魅力
• スイートピー：繊細でかわいらしい印象。ふんわりとしたフォルムが特徴
• あじさい：清楚で上品なイメージ。丸くコンパクトなフォルムが可愛らしい
• ダリア：華やかで豪華な印象。大輪の花はボリューム満点

贈る相手の雰囲気に合わせて、花のフォルムを選ぶのもおすすめです。 背の高い花を選べば、スタイリッシュでモダンな印象に。可愛らしい相手には、丸くコンパクトな花を選ぶと良いでしょう。

まとめ

お花選びのポイントについて、お伝えしてきました。 贈る相手や目的に合わせて、色や種類、花言葉などを考慮することが大切ですね。

自分なりのセンスやアイデアを取り入れつつ、相手の気持ちに寄り添ったアレンジを心がけましょう。 花選びのコツを身につければ、きっと素敵な贈り物ができるはずです。

最後に、花選びで迷ったときは、ぜひ花屋さんに相談してみてくださいね。経験豊富な店員さんが、あなたの希望に合わせて最適な花をアドバイスしてくれます。

私たち花屋は、いつでもお客様の花選びのお手伝いをさせていただきます。花を通じて、大切な人とのつながりを深められるよう、心を込めておすすめの花をご提案いたします。

ぜひ、あなたなりのオリジナリティあふれる素敵な花選びを楽しんでくださいね。花があれば、毎日の暮らしがもっと彩り豊かになるはずです。

花に囲まれた幸せな毎日を、あなたに贈ります。